フェルメール展
今日は夏期休暇の最終日で、上野の東京都美術館で行われている「フェルメール展」に行ってきました。以前、勤務医で東京に住んでいた頃、一時は毎週のように頻繁に美術館に足を運んでいたものです。昔は絵画など殆んど興味なかったのですが、私たちの矯正歯科医という仕事柄、美的センスやバランス感覚、イメージする創造力なども必要であると思い自ずと引かれていったという感じでしょうか。
絵画の展示数は多くなかったのですが、光の使い方は評価通り巧みで、天才と呼ばれる画家の巨匠も描画技法など基礎的なものをきちんと勉強して師の影響を受けながら育っていったんだな、、、と私たちの業界に共通するものを感じました。画家たちはカンバスと向き合ってカンバスの中で自分の想いを表現するのでしょう。一方、私たち矯正医もある種の一職人というか技術者でもあるのですが、対象となるのは患者さんの身体です。患者さんの身体の大切な一部である歯を全部動かすのですから、ものすごい仕事だと思います。
矯正歯科は歯列咬合だけでなく顔をもつくり出す「創る医療」であり、診断はもちろんのこと術者の技術やセンスによって治療結果が大きく影響を受ける医療ですから、これからもっともっと頑張りたいと思います。矯正歯科は数週間の講習会を受けたから、、、といって中途半端に手をつけられる医療ではありません。また、中途半端な環境の中でできる医療でもありません。私たち矯正専門医が大学を卒業してから自分の仕事の時間の100%を矯正歯科に注ぎこんで走っていても、まだまだ道のりの長い医療なのです。このように、矯正は専門性が高い医療である事実を、患者さん方にもぜひ認識して頂きたいと思います。