ESK第二回例会に参加

 7月3日にESK例会に参加し(於:福岡)、プレゼンテーションをさせて頂きました。ESKとは、九州圏内の矯正歯科専門開業医の先生方からなる会で、大先輩の先生方が沢山いらっしゃって多くを学べる会です。このような良い機会を与えて頂き、先生方には本当に感謝しています。 

 今回、私は「矯正治療におけるvertical controlとprofileの変化」について発表させて頂きました。当院で治療した成人のハイアングル症例10名について、矯正治療前後の側貌の変化をvertical controlと上顎前歯の前後的位置の変化から検討した結果を報告しました。10名のうち5名はハーフリンガル(上顎を舌側矯正、下顎を唇側矯正)で、残り5名は上下顎ともに唇側矯正で治療したものです。いずれも矯正用インプラントは使用せず、通常のマルチブラケット装置でオーソドックスに治療した結果、どのようにvertical controlが得られたのか、そしてどのように側貌の変化に寄与したのかを調べました。その結果、全ての症例で側貌の良好な変化が得られ、10症例のうち6症例では大臼歯が圧下して下顎の反時計回りの回転が得られて側貌の変化に寄与していました。また、口元ラインの変化量は症例によって異なり、上顎前歯の後退量に比例するものでないことは明らかでした。

 近年ではインプラント矯正が盛んになり、矯正用インプラントを用いることで従来不可能であった歯の動きが得られるなどのメリットが数多く報告されています。しかし、マルチブラケット装置を用いる上で、ワイヤーの矯正力による繊細な歯の動きを具体的によく観て対応していく必要性があると思います。私は、小さな一つ一つの積み重ねがより良い結果を生むと考えていますので、日常の臨床でより細かく繊細な仕事ができるようになりたいと思っています。

側貌レントゲン写真の治療前後の重ね合わせ

 

(黒:治療前、赤:治療後)

 

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