顎変形症学会参加
6月8、9日と東京で開催された顎変形症学会に参加しました。今回は、過去に私が矯正治療をした患者さんの再治療症例(two-jaw surgery、genioplasty併用)を発表しました。治療結果がとても綺麗!というケースではありませんが、自分自身の過去の臨床経験として多くを学びたい、学ばなければならないと思ったことと、後進の先生方にも是非見て頂きたいと思って発表しました。
当院では外科手術を必要とする患者さんも多く、日常臨床で外科医との緊密な連携が必要とされます。全国各地の外科医の発表を聴くことで、外科医の術式や実際の治療例を見ることができるだけでなく、診療に対する考え方なども知ることができるなど、多くを学べる貴重な機会です。
なかでも W.H.Bell先生のお話が出て、Bell先生がmodel surgeryの重要性を強く訴えておられたことや、外科医自身がmodel surgeryを作成することが大事であると仰ったことにとても共感しました。当院では外科医と十分に打合せしながら私自身がmodel surgeryを作成していますが、もちろん今後も私自身 model surgeryを作成し続けていきたいと思っています。しかし、model surgeryによって実際の手術のシミュレーションを予め具体的に把握でき、骨片の干渉をイメージするのにも役立つと思いますし、手術による移動量の予測が安全確実か多少難しいのかは実際に手術経験のある外科医が詳しいのですから、外科医にも是非model surgeryを作成して頂きたいと、Bell先生の考えにとても共感を抱いたわけです。
そして今回は、私の所属するロススタディクラブの池田先生の素晴らしいご講演もありました。矯正治療を行うということはビルを建てることと同じなんだ。どのようなケースであってもまずは地盤である顎関節を観ることの重要性をわかりやすくお話し下さいました。そして、池田先生が仰るからこそなおさら心を強く打たれるのですが、
『 医療は、先人の努力の上に積み上げていかなければならない 』
『 自分のやった仕事が、自分の誇りになる 』
心に強く留めて、精進していきたいとあらためて思いました。ありがとうございました。