日本舌側矯正学術会総会に参加・症例発表

3月20日に日本舌側矯正学術会総会(於:大阪)に参加しました。私自身は、開咬の症例で上下顎舌側矯正で治療したケースを展示し、勉強してきました。学術会創立20周年ということで舌側矯正のエキスパートの先生方のご講演をいくつか聴くことができましたが、私の心に最も残ったのは大阪S.J.C.D.の最高顧問である本多正明先生のご講演でした。本多先生は、咬合治療における「咬合のlongevity(=長期安定性)の重要性」を強調されていました。「咬合のlongevity」とは、まさに私たち矯正専門医が目標とする最大のポイントです。本多先生は、咬合を包括的に治療することが大事であること、そしてその上で外科・矯正・補綴治療の連携の大切さを強調しておられました。個々の歯の位置が不正であればこれを矯正治療で改善し、歯の形態が不正であればこれを補綴処置で正すこと。各々の専門分野で専門医がお互いに十分な意思の疎通をはかり協力しあって、各専門医のベストを尽くすことでより安定した咬合を患者さんに与えることができるんだということ。個々の歯の位置が非常に重要であることから、機能的な咬合を綿密にしっかり作ることの大切さを矯正医に熱心に強調して下さいました。そして一方では、矯正医が矯正治療しやすいように術前矯正の処置など思いやりのあるご配慮もしておられました。このような本多先生と矯正医の布川先生の素晴らしい連携医療をとてもうらやましく思うと同時に、そのような連携を構築された先生方をあらためて尊敬しました。私自身もそのような素晴らしい連携を作っていけるように、矯正専門医として、一人の人間としてさらに努力する必要性をあらためて感じさせられました。

本多先生のご講演が最も心に残りました